あけましておめでとうございます(えんがわ劇場 第209号)

あけましておめでとうございます。2022年令和4年が始まりました。十干十二支(じっかんじゅうにし)でいう「壬寅(みずのえとら)」の年になります。

「干(かん)」とは世の流れを表し、「支(し)」は世を取りまく社会環境を表しています。

まずは「干」から解説すると、「壬(みずのえ陽の水)」の字は象形文字の女性が懐妊した形を示しています。荷を担う、事を担当する、責任を持つ、へつらう(口先だけの信用のおけない人)を意味し、壬の年は「人事に注意」を払うこと。大切な役目を「佞人(ねいじん)」が担うと問題をはらみ、深刻な事態となります。佞人とは口先だけの心がよこしまな人のことです。

「支」は「寅(とら・陽の木)」の字は象形文字の両手で矢の曲直(きょくちょく)を正す形を表しています。誓う、慎むという意味がありますが、今年は「五黄の寅(ごおうのとら)」年です。黄は太陽光線の七色の中色で、黄色光(おうじきこう)は物を育てる力が最も強く生命力が強く、それに寅が加わるため、エネルギーの強さは半端なく、今までとは全く違った変化を果たさなければならない年になります。

新型コロナで崩壊しつつある世界。次々と現れる変異株。いくら手を打ってもその崩壊は止まらず、世界的な社会不安が漂い始めています。そこに「五黄の寅」という年が当てはまってきたのは宿命的なものを感じます。この強い年で、破壊されたものを再生復活させなさいとの意思を感じます。

今年のキーワードは「誠(まこと)」です。「誠」とは、欺(あざむ)かぬ(自分に嘘がない)ことです。「誠」を自分のものにするには「私心を捨て去る」ことです。しかし、世間はさまざまな苦悩や苦労の雨霰ですね。なかなか私心を捨てることはできません。そこで大切なものは「克己(こっき)己に克つ(おのれにかつ)」ことが重要になってきます。「誠は天の道。これ誠にするには人の道」今年自分は何をなすべきか自覚し、それに打ち込むことで自信とも信念ともなるべくものが誕生してくることでしょう。

さらに、壬(みずのえ)で説いた「人事に注意」することとは、逆説的には信頼できる方々と協力し合い、一緒に破壊されたものを再生すべきこと。それは私たち人に課された命題である「感謝の念」、そして生命に課された命題である「畏敬の念」をもって望みを引き寄せ、希望に出会うことです。

相手のことを想う「心」が自分の存在を完結します。「誠」「感謝の念」「畏敬の念」が他を輝かせ、他に与えたものが与え返されるという最高の循環が、人間本来が持っている力を結集することで、五黄の寅の力を借りて新型コロナから破壊された世間を復活させることでしょう。 個人では社会は形成できません。個人が集団となり社会を形成します。へつらうことなく、一人ひとりが信念をもち、相手を想う心の集団として過ごすことで、新しい世の中を作り上げてゆきましょう。

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